"FREEDOM" PIANO STORIES 4
久石譲の今年のアルバムを買った。去年のコンサートで聴いてからしばらく頭から離れなかった曲が収録されるはずの期待のアルバム。中身は彼の2004年をまとめた感じになっていて、コンサートやCMでいちどは耳にしている曲が多い。
2004年の作品には何度も繰り返して聴ける曲が多かったという印象がある。一般向けに出てくる彼の曲は「感動しやがれ!」とでも言わんばかりの雰囲気な曲が多くて、繰り返して聴くと満腹感にも似た感覚からすぐに飽きてしまうのが残念なところ。でも、今回はそれを感じさせない曲が多かった。そんなことも期待を膨らませた要因。
でもやっぱり、実際のアルバムはちょっと重かった。
「コンサートのあとしばらく頭から離れなかった曲」も、ピアノソロ主体のシンプルかつ綺麗なメロディが主題の曲で、長さにしたらおそらく3分くらいだろうとおもっていたのだが、実際は5分13秒。すっごくシンプルで綺麗なメロディがあるんだからそのままがいいんだよ、と思うのだが、どうも違うらしい。その2分分の盛り上げと肉付けを端折ってくれたらすごく気持ちいいまま聴き終われるのに…というのが本音だった。映画調の盛り上げ方とか終わらせ方とかいう肉付けをした彼の曲は、もしかしたらCDで聴くのではなくて、劇中やコンサート向きなのかもしれないと思う。
と、は言うモノの。
その5分13秒も、やっぱりお気に入りなのかもしれない。映画のために作られたワルツで重い重いとはいいつつも、新しく美しいメロディについ電車でも聴いていて右手で3つとってしまうくらいだから。
----補足----
<飼い主と久石譲>
その昔、「驚異の小宇宙 人体 のテーマ "The Inners"」に感銘を受け、その後なんだかんだといいながらも聞き続けている。かぞえたらもう12,3年か…。
これだけ聴いていると、「みんな同じに聞こえる」と言われる彼の曲の中にも、メロディにおいていくつか特徴的な曲があることがわかってくる。今回のワルツ「人生のメリーゴーランド」と同映画の書き下ろし「Cave of mind」が、まさしくそんな曲だと思う。