お母さんハムスターのねぐらの底で、あかちゃんは生まれました。
写真左上のティッシュ箱です。
2004年12月26日 8:40。
「きゅいーっきゅいーっ」という音を布団の中で聞き目が覚める。
寝ぼけながら、オスハムスターに追いかけられているときの声だなぁと思いこんで、ぼやっと布団の中で1分くらい。(お見合いしたハムスターはすでにお返ししていて、うちにはいなかった。完全に寝ぼけている。)
「ちがう!!!!」「これはみりの声!」
と、気づいてがばっと飛び起きる。ベッドの階段踏み外しそうになる。1段飛ばし。
「きゅいーっきゅいーっ」「きゅいーっきゅいーっ」「きゅいーっきゅいーっ」…
1分くらい
「きゅいーっきゅいーっ」「きゅいーっきゅいーっ」「きゅいーっきゅいーっ」…
1分くらい
「きゅいーっきゅいーっ」「きゅいーっきゅいーっ」「きゅいーっきゅいーっ」…
1分くらい
…
こんな感じで、声は断続的に続いている。出産前で掃除を控えていたせいもあって、ねぐらには、ぼろぼろになったティッシュペーパーがいっぱい。声はその中から。
死ぬ直前にも、ねぐらの中でこうやって声をあげることがあるのを知っている飼い主は、不安でたまらない。もし病で苦しんでいるのだとしたら、かみ砕いたティッシュをがばっっと取り出したい。でも、出産だとしたら、ティッシュを奪ってしまってはまずい。出産か死期か。
ねぐらのティッシュがもぞもぞ動くのが外から確認できない
→あばれていない(声の大きさの割には)
→苦しんではいない
→死期ではない
という判断で、手を出さないことにする。
3,4分声がやむ。無音・・・。
「みり」と声をかけてみる。
「かさかさっ。」(中で動く音)
ほっ。(生きてた)
声をかけられてティッシュ箱から顔を出すみり。おなかの大きさどうなってるかな…と見ようとしたら、その後ろ、みりに引きずられたのか、1匹の赤ちゃんがねぐらからころんっっとでてきた。小指のアタマくらいの大きさ、くすんだピンク色。
「う!ま!れ!た!!!」
普段呼ぶと出てくるみりは、この状況でもそのままケージの入り口まで出てきて、部屋に出ようする。「いまは出なくていいから…」と声をかけて赤ちゃんの所に戻ってもらう。みりは転げ出た赤ちゃんを鼻で押して元の場所に戻していた。母親の行動だ。
赤ちゃん誕生。そしてお母さんも誕生。
お母さんが元気なことも確認。とても嬉しい。
お昼過ぎ、けろっとした元気そうな顔で出てきたみり。
とにかく落ち着いている。
体重を量ってみると43.7グラム。昨日は55.0グラムだったから、
その差の11.3グラムが赤ちゃんということになる。
何匹いるかは、あとのお楽しみ。ともかくも、無事に生まれてくれてよかった。
この日から、赤ちゃんの鳴き声が聞こえるようになる。小鳥のようですごく小さな声。
「チュイッ・チュイッ・チュイッ…。」
2004年12月26日。